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6 ランプソサエティ――チーゴ篇 


『ヤル気』に多大なクリックを本当にありがとうございます!

文字通り気力を補充していただいて、やっとやっとUPすることができました。


ブリーチ(BLEACH) 黒崎一護と朽木ルキア のパラレル二次創作

前話「ランプソサエティ5」UPが1/31(2011)でした。

いつの間にか、時間がかなり経過していました。
光陰、矢の如しって本当ですねーー


すみません。(前回の同じ前フリです!)

もし、待っていたという奇特な方がいらしたら、ホント、本当にごめんなさい!!


では、続きからどうぞ。

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.

6・ 魔神と人間




小さな魔神は大きくなっても小柄で華奢な少女だった。


漆黒の艶やかな短い髪
長い睫毛に濃く縁どられた印象的な深みのある紫色の大きな瞳
その瞳の下は薄いチャドルに覆れて綺麗な顔をうっすらとしか見せない
――余計に瞳の印象を強くしていた。

その瞳を長い前髪で隠してしまうのはなぜだろう?



手を引いて立ち上がらせると体重を感じさせないほどふんわりと優雅に着地した。
その一挙一投足に思わず目を奪われた。
人とは違う優美さに流石は魔神だとチーゴも認めざる負えなかった。


その可憐とも言える姿を裏切る偉そうな生意気な物言いや商人から伝え聞いた願いを叶える条件から『魔神』は『非情』だと思っていたが、意外にも優しく情が深いと思えた――少なくともこの小さな魔神ルキルキは。









魔神の小さな手を引いたままチーゴは台所を見まわして、すぐに一護は朝食を作ることは無理だと悟った。
家人が一月以上不在だったチーゴの家の厨房は綺麗過ぎるくらいに片づけられていて、食料や薪、油といった生活していくのに必要なものがなかった。

再度辛い現実を思い出させられて暗く眉間のしわを深くしたのも、束の間――

「よし、じゃぁバザールで食事して、買い物しよう!」

さも名案だとばかりに昨夜とは打って変わった明るい笑顔でチーゴがそう言うと、魔神ルキルキが驚いたような顔でジッとチーゴを見つめた。

「な、なんだよ。
 俺なんか変な事を言ったか?!」
「いいや。
 こんな時でもお前は魔法で出せとは言わぬのだな。」



魔神とは違う人間の感情の移ろいの早さとそのしなやかな強さに驚きながらも自分たちとの時間軸の違いを実感した。
その一方でルキルキは繋がれた手同様の温かな笑顔の方が 気難しく考えている厳しい顔や泣き顔よりはこの男には似合うなどと思っていた。





一緒に行こうと強く誘っていたチーゴは結局、ルキアに言い負けて一人でバザールへ買出しに出掛ける事になった。

「貴様はバザールで知り合いや友人に会った時に私をどのように説明するつもりだ?」
「はぁっ・・・?」
「『魔神』が現れたなどと馬鹿正直に皆に言って回りに騒ぎを起こしたい訳ではあるまい。
 騒々しいのは嫌いだ。
 なにか上手い言い訳が考えてあるのでなくば、私は行かぬぞ。」
「・・・・わかった!
 わかったよ!
 俺一人で買ってくればいいんだろ?!
 その代わり何を買って来ても文句いうなよ?!」
「大丈夫だ、特に嫌いなものはない。
 あ、辛いもの苦手だから、止めてくれ。」

やや不機嫌に一人で出掛けるチーゴをふふんと鼻で笑って見送った。



本当はもっと違う理由があった。
一護の気配が遠ざかったのを確認してから、楽に過ごせる小さな姿になって食卓のテーブルに座るために壁に据え付けられた物入れも兼ねた長椅子に倒れるように寝転んだ。

魔神としてまだ若い私は人と同じ大きさでいるととてもエネルギー効率が悪い。
今まで持ち主に呼ばれるまではランプに入っているか、小さいまま過ごしていた。
昨夜は少年を抱いたまま心地よく眠ってしまったのでいつも以上に空腹だった。
バザールを歩く事などできない程に――


ランプソサイエティでこんなに空腹になったことはなかった・・・。

生まれて初めて知った空腹と言ってもいいだろう。

魔神は神――空腹で死ぬことはない

それでも兄とレンジンがルキルキを気遣ってすぐに魔法でなんでも用意してくれた。
たとえお腹が減っていなくても、小柄なルキルキを心配して時間で食べるように促されていた。


目眩がするほどの空腹に<人間の願い>、<欲の強さ>の根源が少し分かった気がした。

彼らは魔神のようにすぐに水も食料も調達できない――欲しい時、必要な時に手に入れられなければ、死ぬ事もあるというのに。
そうして、ただでさえ短い生涯を終える――


我ら魔人とは根本的に価値感が大きく違うのは当たり前なのだな…

そんな当然の理(ことわり)を今やっと理解した。
同時に兄とレンジンの自分への優しい想いが身に沁みた。

急に二人が懐かしく感じられて、早く願いを叶えて還りたいという思い――と
今までの人間とは違う、こんな時でも魔法で出せとは言わないチーゴをもっと知りたいと思いがぐるぐると頭の中を回る・・・・


「いったいヤツは私に何を願うのだろう・・・?」



予想のつかないわくわくとした思いがくすぐったくて、そう小さく呟くとルキルキはまどろみに落ちていった。


















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THEME | GENRE アニメ・コミック |
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5 ランプソサエティ チーゴ編 


いつの間にか、時間がかなり経過していました。
光陰、矢の如しって本当ですねーー
<てめぇがのんびりし過ぎなんだって!! 

すみません。

もし、待っていたという奇特な方がいらしたら、ホントごめんなさい。
では、続きからどうぞ。


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5・ 信頼と理解



いつものように近所の鶏の声でチーゴは目を覚ましたーー

明るい日差しが眩しく瞼が焼かれていると感じてしまうほど強く、高くなっていた。

早く起きなければ、チーゴをかまいたがる、鬱陶しい親父が部屋に踏み込んできて格闘技をかけてくるだろうーー
抱きかかえているこの温かな寝具を早く離して、すぐ起きて対抗できるようにしておかなければ・・・・ 

ーー寝具? 布の感触じゃねぇだろっ?!!

慌てて目を覚ました時、一番に目に映ったのは・・・漆黒の黒い艶やかな髪ーー
長く細い前髪の間から覗く血色の好い薄ピンク肌、
閉じていてもわかるような大きな目と濃い長い睫毛
その目の下を覆う薄いヴェール・チャドルから透ける鼻や唇は整っているようだった。

チーゴが腕に抱きしめて寝ていたのは短い黒髪の華奢な美しい少女だった・・・。

記憶をフル稼働させたが、見覚えがない!!
誰だ? なぜ、どうして? と、動揺しながら凝視しているとゆっくりと長い睫毛が開かれて、大きな深い紫色の瞳がチーゴを見つめた。

「チーゴ、起きたのか・・・・!?」

その瞳に昨夜の挑むような強い眼差しはなかったが、忘れようのない、印象的で深く濃い紫色の大きな瞳!
甘さのない凛とした口調!
どう考えてもそれは昨夜のランプの魔神だった!!
昨夜はおもちゃの人形のように小さかったのにーー
今、リアルに腕の中に感じられるのは温かな人間の少女、いや、華奢で柔らかな女ーー

それが余計にチーゴを慌て混乱させた。


「///////うっわぁあああああああああああああっ・・・・・・」

大声あげて、その場を後退さっていた。

「/////// てめっ、な、なんで・・・・!?」

そう問いかけてみたものの、酷い頭痛とともに昨夜の魔神とのやりとりを思い出して、同時に激しい感情に襲われて、頭を抱えて顔を上げる事ができなくなった。



ふわりと甘やかな薫の風が漂って、俯く後頭部を優しく触れられた。

「チーゴ、貴様大丈夫か?」

落ちる言葉にそぐわない、繰り返しなでる小さな優しい手に悲しみと怒りの感情がだんだんと凪いでいった。

家族はもう居ないのだと知った衝撃と悲しみから子供のように感情を爆発させて、激情のままに良く知りもしない他人に当たり散らしてしまった自分に思い至る。
そして、かなりの距離を取っていたにもかかわらず、一瞬で傍に現れた事実に本当に昨夜、呼び出した少女が魔神だったのだと、あらためて実感した。
顔を上げて、間近の魔神を良く見れば、昨夜の高見からの見下ろすような冷たさはその表情にはなく、揺れる大きな瞳に本気でチーゴを心配しているのがわかった。

「お前って、本当にランプの魔神だったんだな?」
「はっ?? 何を今さら言っておるーー」
「・・・・大きくなってーーいや、そんな事はどうでもいい。
 その、昨夜は感情的になって、おまえに当たり散らして、本当に悪かった・・・・ごめんな。」

まっすぐ瞳を見つめて謝る人間に今度はルキルキが驚く番だった。
兄からも友からも、人間は馬鹿だが、ずる賢く信用できないから、気を付けろとずっとずっと言われ続けていたルキルキにとって、こんな真摯な態度で謝る人間の存在自体が驚きだった。

それにこの人間は馬鹿ではないらしい。
昨夜喚き散らした感情的な言葉とは違い、今朝のこの男は『魔神の魔法でも生きた家族を取り戻す事は不可能』だと理解しているらしい。
いや、昨夜から理解していて、ただ感情の吐きだす方法として、言っていたにすぎないらしい。

ーー全ての事象は時間軸に逆らえないーーそれは魔神も例外ではないのだ。

「ふん、私は魔神ゆえ、寛大だ。」

腕組みして、偉そうに返してやれば、少し眉根を寄せてチーゴは苦笑した。

「んじゃ、ヤル事やるか。」

さっと立ち上がり、大きく伸びをした。
チーゴの変わりように驚いて、その場に膝立てて座ったままルキルキが見上げていると、チーゴから手が伸ばされた。

「んなとこに座ってねぇで、来いよ。
 お詫びに飯でも作ってやるよ。
 って、お前らって普通に飯とか食うのか?」
「チーゴ、貴様は我々魔神という神に対する口のきき方を知らんのか?」

不満そうに眉根を寄せながらも、白く小さな手が伸ばされた。
掴んで引き上げれば、その身体はあまりに軽く、浮き上がるようにふわりと飛ぶと、とても優雅に着地した。

予想外に優美な身のこなしの見せた魔神ルキルキに思わず、チーゴの口から出たのは悪態でーー気に入った奴ほど苛めたくなるーー子供のころからの悪癖だった。

「てめ、飯食ってのンかよ?!
 ちゃんと食わねぇから、こんなに軽くて小させぇんじゃね?!」
「余計な御世話だ!」ゲシッ 

間髪入れずにルキルキから膝裏に蹴りが入った。

「痛っ!!  痛ぇじゃねぇか?!」
「痛くしたのだ、当然だろう。」

眉根を寄せて、手をつないだまま自分を見上げて、不敵に笑うルキルキに再度、チーゴは苦笑した。
ランプの魔神とかってわりに、言動が人間と変わらねぇーー



昨夜、あのまま放置されていたら、俺は生きて朝を迎えることはできなかっただろうーー
家の中とはいえ、この時期の夜は氷点下にまで下がる。

家中の毛布、寝具を集めただけでなく、俺を温めるために、人間と同じ大きさになり、一緒に寝ていてくれたーー
全て憶測の域を出ないが、出会ってからそんなに言葉を交わしていない魔神ルキルキにチーゴはそう確信していた。

「・・・・ありがとな。」
「・・・・?? 貴様は馬鹿か!?
 蹴られて、礼を言うとは?
 Σ( ̄□ ̄) ま、まさか、文献で読んだM男と」「ちげーよ!!」

間髪入れずに否定した。
ーー冗談じゃねぇよ!!


「・・・・?」
「・・・・その、朝まで一緒に」「ふん」
「ランプの持ち主の願いを叶えぬうちに勝手に死なれては末代までの恥だからな!」

言い淀んだチーゴに鼻を鳴らして、今度はルキルキが言葉を遮ってそう言った。
だが、チーゴが握る小さな手と態度はそれが理由だとは語っていなかった。

ーー嘘の吐けないヤツww


「貴様、さっきから何がおかしいのだ?!」
「ぁあっ、なにがだよ?!」
「貴様、笑っていたであろう?!」

そう問われて、チーゴはふっと我に返った。
鉛のように重い雲が立ち込めて、嵐のような感情の風が吹き荒れていた胸の内が嘘のように落ち着いている自分に驚く。
それだけではなかったーー
家族がいなくなって、暗く重たい空気に満ちていた家の中が少しだけ明るく温かいように感じられるようになっていた。
それは太陽が昇った所為だけではないだろうーー

ーーこの気持ちの変化はコイツの魔法の所為とか・・・ いや、まさか・・・・




怪訝な顔で自分を見つめるルキルキにふと湧いた疑問を投げかけた。

「あのさ、ここに現れてから、何か魔法を使っていないよな?」
「?  現れた時以外に魔法は使っておらぬ。」

真顔で問いかけた一護に、コヤツにとっては大事なことらしいと悟り、ルキルキは答えに補足をした。

「持ち主の望み以外に魔法を使う事はできぬ。
 たとえ、持ち主が今まさに盗賊に殺されようとしていてもーーだ。」

まっすぐに自分を見据えてそう言ったルキルキの深い紫の大きな瞳に哀しみが見えた気がした。

「そっかーー
 変な事聞いて、悪かった・・・、ルキルキ。」

少し強く握られて、ルキルキは人間であるチーゴと手をつないだままだったと気付いた。

それにしても、なんて人間なのだろうーー
このチーゴという人間はルキルキを魔神だと知っているくせに敬いもしなければ、すぐに頼ったり、なにかを望んだりもしないーー

それどころか、魔法を一切使っていないというのにーー
望みの一つさえ叶えてもいないというのにーー
ルキルキに謝罪して、感謝の言葉を口にした

立ちあがるのに手を差しのべてくれたーー
食事を出せと言われた事はあったが、振舞ってやろうなどと言われた事は一度もなかったーー

全てが過去に会った人間達にされた事のない、初めての事・・・



人間は馬鹿だが、ずる賢く信用できないから、気を付けろーー

兄様と友人のレンジンから何度も言われた警告がルキルキの中で遠く小さくなっていた。



ランプソサエティ 6







もうちょいで終われるのでしょうか、チーゴ編

書けば、書くほど長く 終わりが見え難くなる気がするのは、どうしてだろう?!
でも、あとちょいです。
きっと!! 

たぶん・・・・



兄様とレンジンが現れちゃうのかな~~?!
現れちゃうと恐いなぁ~~
オレの思い描く白哉兄様は 緋真様という枷が無い場合、暴走したら、皆殺し必須なんですけど・・・・llllorz

最初の原案通りの話になんとかまとめる方向で♪
ちょっと、いや大分膨らんじゃっただけだから・・・大丈夫・・・
頑張ります。

gdgdな後書きでごめんなさい。




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【久しぶりに】 by ローガン渡久地


はるかさん、こんにちは!!

「ランプソサエティを最後まで読んだかな?」

と突然思いお邪魔しました。

もしかしてサイトの方でしょうか>
すみません、探してみます(>_<)

4 ランプソサエティ チーゴ編 


お絵かきに夢中になったところで少し気が済んだみたいです。

チーゴ編 4 


続き からどうぞ。

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4.ランプの魔神



この時、チーゴがふとランプの魔神を呼び出してみる気になったのは相当気持ちが弱っていたのだと思う。
普段のチーゴならこんなばかばかしい話、頭から否定して試してみようとすらしなかったにちがいない。
まさに魔が差したのだ。
冷静に商人の話を思い起こしてみれば、財を成したい、裕福に暮らしたいと思う人の願いを簡単に叶える事の出来る魔神を呼び出す事は必ずしも幸せをもたらしてくれるとは限らないもの。


呆然と何も考えられない頭の奥では『やめろ! 止めておけ!
不幸を 死をもらすかもしれない魔神なんかと関わるな!!』
と遠く小さく確かに警告する声が響いていた。

けれど、その声を無視して、チーゴの手は小さく古い変な形のランプを何かに促されるようにゆらりとつかんでいた。商人が言ってた通り、ランプを磨き布ではないが、手近なシャツの袖でランプを磨くように強く擦っていた。

すると、ランプの口からピンクの煙がふわふわと流れて、上空で煙の塊が大きくなったと思った瞬間、ぼんと爆発して、本当にランプの魔神が出てきた!!
しかも商人の話ではもっとおどろおどろしい、重厚で畏怖させるような魔神が出てくると思っていたのに・・・・実際に出てい来たのは 2/5キュビット(20センチ)位の小さな可愛らしい少女の姿をしていた。
たぶん全く動かないで床やテーブルの上に置いてあれば、豪奢な服を着た人形だと思ってしまっただろう。
そんな魔神が表れただけでも驚いているのに、その小さな魔神は空中に浮いたまま猛烈な勢いで文句を言ったきたので チーゴはさらにびっくりして尻もちをついてしまった。


「貴様、よくも乱暴に扱ってくれたな?!
 中であっちこっちぶつけて、痛かったではないか!!
 今まで何百年と生きてきたが、貴様のように乱暴な扱いをするものなど一人もいなかったぞ、たわけ!
 無礼にもほどがあるぞ!
 われわれ、ランプの魔神に対しての礼儀作法や尊敬の念を持ったらどうなのだ!!
 少なくとも丁寧に扱え、バカ者!!」

床に座るチーゴを文字通り上空からの見下ろしたままの魔神が一気にまくし立てた。
チーゴはその可愛らしい見かけを裏切る横柄な口調に思わず、頭痛がしてこめかみを押さえた。

ーーなんかこう・・・・、悉(ことごと)く予想と違ぇ・よ・・。
  違いすぎるって、ちきしょぉっ! っざけんな!!

小さな魔神は変わらず空中からそんなチーゴを冷やかに見下ろしながら嫌そうにため息をつくと、偉そうに腕組みして言った。

「ふん・・・・我が名は魔神ルキルキだ。
 貴様の願いはなんだ!?
 ランプの魔神として手順を踏んだ呼び出しに応じて以上、掟には従わねばならぬ。
 仕方がない・・・。
 3つの願いを叶えてやろう、サッサと言うがよい。」


魔神のあまりに嫌そうで偉そうな態度と物言いに、チーゴはさっきまでの胸中で渦巻いていた感情がいらっと湧き上がって、腹立ちまぎれに願いを口にした。

「じゃぁ、オレの家族を生き返らせろよ。」
「・・・・ はぁっ? 馬鹿を言うな。
 いくら我々魔神であろうとも、今この世に存在せぬものは出せぬーー
 貴様は商人の願いでランプを引き継いだのだから、出来ぬ事も知らぬわけではあるまい!」
「じゃぁもう、てめーにゃ用はねぇよ!!  
 帰れ、役立たず!!
 俺の願いはこれだけだ!!
 こんな願いも叶えられもしねぇ癖に出てくんじゃねぇよ!!」

チーゴは言いながら、物言いも内容も癇癪を起した子供のようだと思った。
だが、さっきまで胸に渦巻いていた激しい感情が湧きあがり、もはやチーゴには制御する術などなかった。
チーゴの言葉に魔神の少女の顔がこわばり、プライドが深く傷ついたのがわかった。


過去、チーゴはこんな風に傷つくとわかっている罵倒を女の子相手にした事はなかったので少し胸が痛んだ。

「女の子は優しくしてあげてね、チーゴ」
「そうだぞ、チーゴ。
 口じゃ強い事言っていても、力じゃ絶対男のほうが強いのだから、傷つけたりしないで護ってやるのが本当の男だ!」

妹が生まれたからだろうか、ずっと幼い頃からチーゴは両親にそう教えられて育っていた。


完全にヤツあたりだと分かっていた!
だが、言葉を止める事はできなかったし、ランプの魔神も傷ついた様な顔を見せたのは一瞬でその後は引かず、罵り合いの喧嘩になった。

「貴様、ランプの魔神に対して、なんだその物言いは!!
 だいたい、貴様は先の商人から我々への願い事について聞いて知っておろう!!
 忘れるほど馬鹿だとは言わせぬ!!
 それとも馬鹿なのか?」
「馬鹿とはなんだ、役立たずのくせに!!」
「無礼者!!
 この世に存在しない者は出せぬ! と、言っておるのだ!!
 聞こえぬのか、たわけ!!
 魔神の本当の力の凄さも恐ろしさも知らぬくせ!!」
「凄いって言うなら!
 恐ろしいっていうなら!
 オレの家族を返してくれよ!!
 オレの家族を今すぐ、生きてここに出してみせろよ!
 三つの願いを叶えてくれるんだろう?!
 親父とおふくろと妹で3人だ!!
 具体的ではっきりした願いを言ったんだ!
 生きて俺の前に出してくれよ!」

最後は叫ぶように訴えて、その場にチーゴは突っ伏した。
悔しいけれど、荒々しい感情を抑え切れずに涙が溢れて・・・・泣き叫んでいた!



目の前で泣き崩れた男ーー
ルキルキもランプの魔神として、今まで何千という人間の勝手な願いを叶えてきた・・・・。
その中に死者を愛惜しんで、嘆きとともに願いを訴えられた事がなかったわけじゃなかった。
けれども、毎回冷たく断ってきた。
実際に生き返らせる事は出来ないのだからーー
できるのは骸を墓からただ目の前に持って来て「死」という現実を見せつけてやる事だけーー

あまりに話の分からぬ者には実際に死者の骸を目の前につき付けてやった。
長く生きる魔神にとって今、目の前にいる人間も再び 見(まみ)える時には骸になっているーー人間とはそんな儚く仮初にしか共には過ごせない一瞬の陽炎のような存在でしかないのだ。

ルキルキは、魔神としての能力がとても高く優れていた。
魔神の能力とはーー知りたい事を瞬時に悟り、求める物の在り処を知り、それを目の前に持ってくる事ができる力

その力で目の前の男の家族がすでに一月も前に死んでいる事も、それをこの男が知ってからそう時間が経っていない事もルキルキには分かっていた。

魔神であるルキルキを敬いもせず、罵るこの無礼な若い男にも願い通りに求める家族ーー腐り、変わり果てた姿となった骸を動かして目の前に出してやろうかーー腹立ち紛れにそう思わない訳ではなかった。

だが、能力など使わなくても、目の前の男の真剣で悲痛な叫びから、その悲しみの深さだけは十分伝わっていた。
どれほど家族を想って遠い地で長い間、一人で頑張って耐えてきたのか、
目的を果たして喜びと希望に満ちて帰宅してみれば、突然、知らされた家族の死ーー
現実を受け止めらず、どれだけ深い混乱と悲しみの淵にいるのか・・・・。
床に突っ伏して日も世も外聞もなく号泣する男ーー人間とはなんて強く豊かな感情を持っているのか・・・
我々魔神をこうも惹きつけて、地上に留めておく存在なのだろう・・・・

このまま叫ぶように感情のままに号泣していては男の喉が裂け、精神が持たないのは間違いないーー
昼間の太陽の容赦のない灼熱とは違う、夜の氷のような帳がこの男を凍らせてしまうかもしれないーー


今まで聞いた事のない旋律が優しく響いて
雄叫び、声を上げずにはいられなかったチーゴの感情もだんだんと落ち着き、凪いでいったーー
だが、突っ伏したまま顔を上げることはできなかった
流れる優しい旋律が深く深くチーゴの精神をどこかにゆっくりと落としてしまったから
それは闇に溶ける甘い誘惑のようも濃く奥深かった
すとんと落ちて行ったのは幼い日の母の胸の中のように温かいところーー
父の腕の中のように力強く安心できるところーー
そんな場所で心安らかに流れる歌声に心身の疲れを癒されていった・・・・・



流れる甘い旋律を ランプソサイティの上空高く青白い光を放つ月も捕らえていたーー











お付き合いくださり、ありがとうございました♪


出会いは最悪のタイミングとシチュエーション

どちらの感情もささくれ、苛立った時に出会い、罵り合った二人ーー

続きます!!

チーゴ編5



設定について。
書いている最中、魔神はどこから願いの品を出すのだろう・・・・って、少し悩みました。
新しいものを魔法で出すって事にすると、屋敷がいきなり現れる様な不自然な現象が起きる。
すると必然的に魔神の存在がチーゴも話に聞いた事があるようなメジャーな存在になってしまう。
それは本意ではないのでどこかから、この世界にある物を持ってくることにしよう。
と、設定しました。

これはある意味まるで鋼錬の等価交換みたいな感じ・・・と思っていたのですが。

実際に書き進んでいると何も交換していないと思い、ルキアさんが怒って骸を持ってくるって言い出したところであれ? こういう話知ってる・・・・と
すっごい考えて思い出しました。

猿の手というホラー話でした。

軽いラブコメディのはずが、チーゴの一家を皆殺しにした挙句、ホラー交じりになってしましました。
次回やっとルキルキ登場です。






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3 ランプソサエティ チーゴ編 
見なおせば、見直すほど長くなる罠ーー

内容が少しシビアになっておとぎ話っぽさなくなっています・・・・。



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3:出会い2



床に突っ伏して、感情を爆発させてようとしていたチーゴの側をカラコロと何かが転がってきた。
チーゴが壁めがけて投げた衝撃で荷袋から中身が全て弾き出されて部屋中に散乱していた。

チーゴの側に転がってきたのは小さな古いランプだったーー
それは途中の小さなオアシスで盗賊に襲われていた商人一家をたまたま居合わせたチーゴが助けたので、その時に礼としてもらった物だった。




「護衛として雇った男たちが突然、裏切って襲ってきたのです。
 あなた様が助けて下さらなければ、私たち、一家全員皆殺しにされていたでしょう。」

と商人の一家の主人から震える声で涙ながらに感謝された。
商人は自分の妻、娘と駱駝を3頭分の商品を連れた小さな隊商だった。
俺は礼なんかいらねぇって何度も固辞したのだが、

「3つの願いを叶えてくれる魔法とランプです。
 最後の願いはあなた様の手に渡るようにと願ったので、ぜひ、お持ちください。」

と強引に手渡された。


「ちょっと待ってくれ、それが本物の魔法のランプだって言うんならさ、俺の助けなんて要らなかったんじゃねー?
 しかも最後の願いは残ってたのなら、なおさら そのランプの魔神とやらに助けてもらう事ができたんじゃねぇのか?」

思わず、素朴な疑問を投げかけてしまった。

「ランプの魔神は願い事が曖昧な言い方では叶えてくれないのです。
 ただ、『助けて』と願うだけではダメなのです。
 『振り下ろされる剣から守ってください。」 とか、具体的でなくては叶えてくれないのです。
 だから、今みたいに咄嗟の時には意外に言えないものですよ。」

 と、商人は泣き笑いの複雑な笑顔を見せて 大事そうに奥さんと小さな娘を抱きしめた。
俺はそんな一家を見て、助ける事が出来て良かったと思いながらも、ランプの魔神について、熱心に話をしだした商人に困惑していた。

「ふ・・・ あなたは全く私の話を信じていないのですね。
 ランプに魔神がいる事なんて・・・。
 私達だって実際に出てくるまで魔神がこの世にいるなんて思いもよりませんでしたよ。」

もっと話を熱心に聞いてくるだろうと思っていた商人は俺の反応にそう言って、自分をを心配そうに見上げていた、きらびやかな装飾品で着飾った奥さんと娘の頬に口づけた。
そうして、俺は商人一家を途中の安全な街まで同行する間、ランプの魔神の話を聞かされる羽目になった。


「私がランプを手に入れたのはただの偶然なんです。
 祖父から形見として受け取った古い家の片隅に置いたあった小さなランプを貧しさから売ろうと思って磨いたところ、煙とともに魔神が現れたのです。

 『ランプを磨いてくれたのは貴様か?
  礼として、3つの願いを叶えてやろう。
  だが、願いは曖昧なものでは叶えられぬ。
  さぁ、申すがいい。』


 私も最初は半信半疑で、一つ目の願いを言ってみました。
 『町一番の立派な家が欲しい』と。
 すると魔人は質問を返して来たのです。
 
 『その願いが貴様の幸福にしてくれるかどうかはわからぬがよいか?』と。

 願いを叶えると言ったくせにそんな事を言う魔神に私は怒って抗議しました。
 
 『私の願いが叶えられないから、そんな事を言って誤魔化すつもりか?!
  できるというなら、出してくれ!!』と、私は思わず怒鳴りました。
 『馬鹿を申すな、出来ぬとは言っておらぬ!
  よかろう。
  だが、よく覚えておくがいい。
  貴様が望んだということを。』

 翌日、遠い親族が死んで、遺言書から私がその街で一番大きな屋敷を相続することになりました。

 自分の願いの所為で親族が死んでしまったのか・・・・と、少し胸が痛みましたが、その親戚はもともと高齢だったし、あまり付き合いのあった親族でもなかったので、私は魔神の力を少し信じて、私はもう一度ランプの魔神を呼び出しました。

 『この大広間をいっぱいの金銀財宝で埋め尽くしてくれ!!』

と、願ったのです。
 ランプの魔人は期待に満ちた私の顔を見るなり、『構わぬのだな?』と、今度は一言そう質問しただけでした。

「あたりまえだ!
 さぁ、私の望みを叶えてくれ!!
 この大きな屋敷を維持するために金が必要なんだ!
 ランプの魔神よ、出来るのだろう?!」

魔神は皮肉っぽく笑うと

「当然だ。」

そう言って、出て来た時と同様に煙と共に消えてしまった。

 『多くモノを持つ者は奪われやすく、大事なものを失っても気づきにくいものだ。
  だが、しっかり憶えておくがよい。
  この世からも消えてしまったモノは我ら魔神でも取り戻せぬ!  
  せいぜい気をつける事だ。』

  そんな忠告めいた謎の言葉を残して 魔神は消えたのです。
  私は気味が悪かったのですが、翌日、大広間にはいっぱいの金銀財宝で埋め尽くされていたのです。
  今度は誰も死んでいませんし、私の周りで特になにか失われたものがなかったので 魔神の言葉の意味するところがますますわからず、そのうちすっかり忘れていました。

 でも、護衛として雇った者たちが簡単に盗賊になり、襲ってきた、今回の事でなんとなく魔神の言った言葉の意味がなんとなくわかりました。

 私は大きな屋敷に住み、金持ちになった事で、人と気軽に会う事もなくなり、驕り、高ぶっていたのでしょう。
 気がつけば、親しく信頼できる古い友人をいつの間にか失っていました。
 金目当てでしか付き合わないようなものばかりにちやほやと囲まれていたので盗賊へと簡単に化けるようなものしか雇う事が出来なくなっていたのです。
 私は知らない間に信じられる大事な友人を失っていました。
 そうして、今大事なかけ替えのない私の宝・妻と娘を失うところでした。

 金銀財宝、家は失くしてもまたいつか似たようなもの、なにかしら満足のいくものを手に入れる事ができるでしょう。
 『多くモノを持つ者は奪われやすく、大事なものを失っても気づきにくいものだ。』
 魔神は物にとらわれずに家族・友人を大事にしろとずっと言っていたのです。」

チーゴは商人が涙ながらにするあまりに現実離れした話についていけず、はぁとかへぇとか相槌を打って出来るだけ流した。
感情的に盛り上がっている商人には悪いが、こんなおとぎ話真面目に聞ける訳がないとすら思っていた。


「チーゴさん、通常は3つ目の願いを叶えたところでランプは消えてしまうらしいのですが、私の最後の願いを次のランプの持ち主を命の恩人のチーゴさんに、としましたのでどうぞこのままお受け取りください。」

商人は何度も頭を下げて、命よりも大事な妻と娘を助けてもらった礼だからとランプを押しつけるように俺に渡すと大きな屋敷へと帰って行った。


別に商人が話したそんな現実離れした絵空事を信じたわけではないが、捨てる訳にもいかず、変な形のランプだったのでみやげ話と共にに持ち帰れば、変わったものを好む妹が喜ぶだろうと最後には、持ち帰る事にして荷袋に入れたのだった。









チーゴ編4

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2 ランプソサエティ チーゴ編 
話の切りどころの都合上、ショートになってます。


続きからどうぞ。

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2:出会い



一年前、出会った時の印象は最悪だった・・・。





都での勉強を終えて、一人前の医者として、家族の暮らすこの辺境の街に戻ってみれば、父母も妹も蔓延していた流行り病で一月前にすでに死んだのだと聞かされた。
父もチーゴと同じ医者で母も妹も父を手伝っていた。
二ヶ月前に街中で猛威を振るう病に家族全員が一生懸命患者の世話をして、過労で倒れるまで看護をした挙げ句、発病して死んだのだと帰った早々、街の人、近所の人々から口々に聞かされた。
会う人全てに深い感謝とお悔やみの言葉を言われ、半信半疑、茫然として生家のクロッサ医院に走って戻った。
がらんと静まり返った家は、とても綺麗に片付けられており、家中探しまわったけれど、街の人の言うとおり家族の姿はどこにもなかったし、人が暮らしていた生活感もとうに失われていた。

チーゴが帰ったのを聞いた幼馴染や友達たちが続々と集まってなにか慰めを言ってくれたのだが、確かに聞こえているはずなのに何を言われているのか、チーゴには全く理解できなかった・・・・
まるで違う国の言葉を聞いているようになにも意味のある言葉として耳に響く事はなかった。

信じたくないチーゴは違う家に来てしまったのではないのか・・・・と家中や家の周りを何度も確認した。
だが、見なれた生家の外観は間違えようもなく、室内はさすがに留守にしていた年月分、少しずつ物やその配置が変わっていたけれど、どう確認してもチーゴの家で、留守にしていた自分の部屋は出た時のまま。
机の上に出しっぱなしにした本の位置すらそのまま・・・・何一つ変わっていなかった。
まるでたった一日留守にしただけのような綺麗さに母か妹がチーゴが居ない間、ずっと丁寧に掃除していた事を物語っていた。
もしかしたら、体調が悪く、病に苦しんでいる間にすら、掃除してくれていたのかもしれない。
二人のチーゴへの優しく温かい想いの分だけチーゴを深く暗い悲しみの淵に落とした。



頭を整理して落ち着いて考えてみたくて 一人にして欲しいと、友人たちには帰ってもらった。
一人で過ごすには広すぎる家、何の物音も生活感もない空間にたった一人を実感して、初めて チーゴは死を理解したーー
家族がいなければ、家の中の何一つが意味をなさないーー何もないのといっしょなのだとーー

突然過ぎる深い悲しみと去来する虚しさに、チーゴは苦悩するように顔を歪ませて失笑していた。


誰もいない 空虚な部屋で今さら考えても 仕方のない後悔の念に苛まれた。
くるくると部屋の中を腹をすかせた狼のように歩き回って、気が狂いそうになるほど自問自答を繰り返したーー

何故、俺はもっと早く帰らなかったのだろう・・・・
どうして、親父たちは病が流行っていると俺に知らせてくれなかったのだろう?!
2週間あれば、手紙だって届く距離だったのだから、間に合い、家族にも会えたはずだ!!
そうすれば、俺だって絶対にもっと早く砂漠を渡って帰ってきて、手伝えた!
例え早く帰国する事で医師の資格が取れなかったとしても!
家族の命と引き換えにしてまでは要らない!
俺は今までいったい何のために医者になったのか・・・・・
本当は分かっている。
資格の無い俺が戻ったとしても、役に立たない事くらい。
俺のために連絡しなかったのだろう事くらい!!


次々と押し寄せる虚しさと悲しみとどうしようもない怒りの激情にぐるぐると翻弄されて、吐き気がした。
思考を止めてしまいたかった。
どうしていいのか分からないほどの激高する感情を受け止めきれず、いっそ放棄してしまいたかった・・・・


ちきしょ、

ちきしょぉっ

ちきしょーーーっ!!

自身でも持て余した感情を爆発させるように、持ち帰った荷物を壁に投げつけた。









チーゴ編 3 に続く

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1 ランプソサエティ チーゴ編 
こうでもしないと前半ばかりいじくりまわして先に進まない。
他にもいろいろしなくてはいけないので忙しい。

という駄目な管理人都合でブログに少しずつUPさせて頂きます。

このお話はちゃんと完結させます!!
(完結後、サイトの一護部屋に収納予定。
 まとめて読みたい方は少々お待ち下さいませ。)



ってことで、続きから

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ーーランプソサエティ チーゴ編 1--




「チーゴ!  今日こそ、貴様の願いを言うがいい!」

ランプから出てきた魔神、ルキルキが夕飯を食べ終えた途端にそうがなった。
向かいの席でルキルキが食べ終わるのを待っていたチーゴはけろりとして話を変えた。

「食後のデザートにブドウがあるんだが、食うか?」
「食べる!!」

予想通り即答するルキルキにチーゴは噴き出しそうになる笑いを、何とか抑える。
ここで笑ってルキルキを怒らせては話がまた戻ってしまう。

「これさぁ、今日往診に行ったおばちゃんがくれたヤツなんだけど、大粒で美味そうだろう?」
「ぉおっ、本当だな。
 もしかして、タツーキの家のお母上がくれたのか?」
「おっ、ルキルキ、よく分かったな、その通りだ。」
「あたりまえだ、たわけ。
 貴様の話に何度も出てくる方だからな。」
「ははっ、それになんだかんだとあの人はお菓子やフルーツをいつもくれるからな。」
「どういう意味だ、それは?
 別に食べ物を下さるから憶えていたわけではな・・!!Σ(@д@;)」
「いいから、早く食えよ。
 冷やしておいたから、すげぇ美味いぞ。」

言うより早くさっと一粒、チーゴが自分の口に放り込んだ。

「なっ、一護、貴様、ずるいぞ!!」

途端に抗議の声を上げるルキルキを幼いと思う。
チーゴよりははるかに長く生きているくせに、この小柄なランプの魔神・ルキルキはすぐに頬を紅潮させて、子供みたいに唇を尖らせて声を荒げる。
だが、ブドウを口に含んだ途端に怒った顔をすぐ一転させて幸せそうな微笑むのだ。

「チーゴ、とても甘くて美味しい♪」

チーゴの一言一言、一挙一投足に反応して、表情をコロコロと変える。

今みたいにすぐに怒るし、なんでもない事に喜んでよく笑う。
ランプの魔神は人間と感覚が違う所為か理不尽な要求をすることも多く、チーゴが腹を立てて言い合いになる事もしばしばだった。
だが、こんな風に蕩けるような幸せそうな笑顔を見せられると全て帳消しだ。
ーーしかも本人にはそんな意識は全くないのだ。

恐い事に最近のチーゴは町に一人しか居ない医者として忙しいというのに、その往診の行き帰りにバザール(市場)を通る事があれば、可愛らしく屈託のないルキルキの笑顔を思い浮かべて喜んでもらうための土産を物色しているのだ。
そうして、家に一人残るルキルキが寂しくないように、早く帰ってその笑顔を見たいがために躍起になって、走るように患者から患者の家へ移動していた。

もちろん、患者への診療、薬剤は細心の注意を払っているが、それ以外の時間はルキルキの事を考えている自分とその心境の変化に驚かずにはいられない。

魔人ルキルキと知り合い、家に居座られてまだ一年も経っていないのに・・・・・、チーゴにとってルキルキと過ごすわずかな時間がとても大事で、生活の全てになっていた。
出来るだけ考えないようにしてはいたが、後どれぐらい一緒にいてくれるのかわからない不安と焦燥感が胸の奥に蔓延(はびこ)り、だんだんと大きな塊となって重く暗い影となってチーゴを苦しめていた。







チーゴ編 2 

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こんな人!?

月城はるか

Author:月城はるか
たぶん ♀
(たまに人称がオレ!)
基本キャラは 楽天家、単純、大雑把
「乙女」と「おっさん」が混在してます
社内評価は「天然」
<いや、絶対に違うから!

アニメファン、漫画と本が大好き
「BLEACH」「銀魂」「秘密」「彼方から」「Monster」「家庭教師ヒットマンREBORN!」「鋼錬」「チェーザレ」「竜の末裔」「ヨルムンガンド」「新暗行御史」「彩雲国物語」「十二国記」「最遊記」「のだめ」「君のいない楽園」「麒麟館グラフィティ」「死がふたりを分かつまで」ETC 塩野七生・今市子・道原かつみ・パトリシア・コーンウェルは全ての本  
  
HP緋狼白雪でBLEACHのイラスト・お話展開中。 
ここにHPのお話の更新、描いた画の言い訳?を書いていきます。
リンク フリーです。
相互にさせていただければ、すごく嬉しいです♪
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